東大阪市民葬祭 | 対談



日本一負担の掛からない葬儀社を目指して、2008年に設立された『宇都宮市民葬祭』。公営斎場を利用することで直葬8万8千円からという低価格を実現し、遺族の今後を第一に考えた葬儀を執り行っている。また、ただ低価なだけでなく、故人を供養する心を尊びながら思いやりに溢れた対応に徹し、遺族のあらゆる希望と真摯に向き合っている。
穂積 まずは、高田社長の歩みから。

高田 学業修了後は、航空自衛隊の管制官をはじめ、全国各地で様々な職を転々としていました。しかし、目の前のことに一生懸命になれないようでは、何をやっても駄目だと気づきましてね。父が葬儀社を手掛けていたものですから、私も同じ業界で腹を据えて一から頑張ることにしたのです。誰に頼るでもなく自分で苦労して成長していきたいと、父の会社とは別に当社を興しました。

穂積 敢えて、自ら厳しい道を選ばれたと。その情熱は大きな原動力になったのでは?

高田 それが始めた当初は人が亡くなるのを待っているようで、後ろめたさに苛まれることも少なくありませんでした。しかし、葬儀は誰にとってもいつかは必要になる大切な儀式。それならば、お客様の希望を第一に考えた葬儀を提供できるようになろうと。そう考えるようになってからは徐々に依頼も増えていきました。お陰様で現在は父の会社を吸収し、堅実に成長を続けることができています。

穂積 お客様の希望を汲むために、どのような工夫をされたのですか。

高田 まず、お客様の声に真摯に耳を傾けることから始めました。そうして分かったのが、葬儀に費用を掛け過ぎて、その後生活が苦しくなってしまった方が多いということ。得てして葬儀には高額の費用が掛かるものですが、そのスタイルが昔からの慣例のようになっており、葬儀会社もお客様もそれを当然として受け入れていらっしゃる。そこで、当社では遺されたご家族の今後を考えて、できる限り負担の掛からない料金体制を敷くことに。直葬ですと8万8千円から承っています。

穂積 それは、お安いですね!

高田 どうせなら「日本一安い葬儀社」になろうと思いましてね。しかし、質素な葬儀にはしたくありませんでしたから、写真から棺に至るまで一番良いものを揃えています。逆にお客様から「大丈夫ですか」と心配されることもあるんですよ(笑)。ただ、私はこの値段が現代に見合ったものだと考えていまして、高齢化が進み、遺された方も高齢者ということが珍しくない中、少しでもご遺族の負担を減らすことが私共の役目だと思っています。もし、それでも費用が足りないという場合でも、何とかご希望に沿えるよう、お客様と一緒に知恵を絞って解決策を見出していきます。葬儀には色々なしきたりがありますが、10件の葬儀があれば10通りの葬儀があっていい。大切なのは形式ではなく、故人に感謝し、供養してあげることなのですから。

穂積 実に、素晴らしいお考えだと思います。では、最後に今後の展望を。

高田 こうした考えに賛同してくれる方を募り、全国に展開していきたいと思っています。近く、福島支店をオープンさせる予定ですし、その後も首都圏、東北と徐々に輪を広げていきたいですね。

対談を終えて

「東日本大震災を受けて被災地の方を急遽採用されたという高田社長。いつか福島に
戻って独立してほしいと、既に福島支店の名刺を渡されているのだとか。心温まるエピソードに感極まりました」(穂積 隆信さん・談)


※本記事の内容は、月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。

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